近年における“燃え尽き症候群”という西洋での現象を目にすると、私たちも日本と同じ轍(わだち)を踏んでいるように思えることがあります。その点、日本の中でも沖縄の人々は、ひとつずつの仕事に集中します。そしてそれを、「自分に合ったペースで行う」という非常に適切な働き方をしているのです。活動を止めることはありませんが、まるで夏のそよ風のように、自分の仕事と向かい合っているのです。

西洋における生き甲斐

 沖縄に住む年配者によると、交友関係、あるいは模合(もあい=沖縄県や鹿児島県奄美群島において、複数の個人や法人がグループを組織して一定額の金銭を払い込み、定期的に1人ずつ順番に金銭の給付を受け取る金融の一形態)―共通の利益を持ったグループ―というのが、最も重要なもののひとつだと言います。

 地域社会を助けるため、さまざまな種類のささやかな仕事が形態的かつ自発的に行われており、それは人々にストレスとなることなく、むしろは生きるためのエネルギーとなっているのです。それはつまり、実利主義や資本主義のカタチを取った現世的“幸福”に、彼らは大きな価値を見出していないことを意味しています。

 その際、彼ら老賢者は、時間をかけて自分たちの感情や気持ちを知り、それを大事にします。それに対して西洋の人々は、自分の行動と感情をすぐに結びつけがちですが―例えば「気分が悪いから、気分がよくなるようなことをやろう」という具合に―それよりも、気分が悪くなっている原因を突き詰めて、常にいい気分でいる“必要は無い”ということを受け入れるほうがよっぽどマシでしょう。

 気分が乗らないときは、じっくり考える必要もありません。大事なのは追加の行動を起こすことより、自分のための時間を割くことです。

 その一方で食事に関しては野菜が中心で、ひとつひとつの料理の量も多くありません。日本人は、腹八分目が食事の基準となっています。まだ食べられそうだが空腹は満たされた? それならそこで止めておくのです。食後のひと眠りもしません。すべてのエネルギーが消化に費やされるのではなく、前述したようなささやかな仕事に使えるようにすることが、あなたの大きな目標、即ち生き甲斐の流れにつながっていくのです。

 例えば、あなたの「生き甲斐」がものを書くことであるなら、紙に言葉を書き連ねることばかりがそれではありません。読書をしたり散歩をしたり、絵を描いたり…と、気の向くままの些細な行動もインスピレーションのもとになるはず。それはあなたの「生き甲斐」を充実させる流れをつくり出してもくれるのです。

◇流れの7条件 | ビューレン流解釈

筆者、「エスクァイア」オランダ版の編集者ケビン・ヴァン・ビューレン筆者、「エスクァイア」オランダ版の編集者ケビン・ヴァン・ビューレン。 Courtesy of Kevin van Buuren

「流れ」に乗って、その波の上に留まるために必要な条件である7つの項目を、日本人は自ずと心得ているのだと私(筆者ビューレン)は解釈しました。その中には役に立ちそうにない細かなことも含まれていますが、そういったことが心のやすらぎを生み出してくれるのは間違いないでしょう。

 これに習って日々の行動を調節して、あなた自身の「生き甲斐」を取り戻すため流れに乗ってください。