緊急事態宣言Photo:PIXTA

ついに3回目の発令となった緊急事態宣言。沈静することを知らないコロナ禍で、失職したりコロナに感染して休職したりしたときどうすればいいのか。実は、特に非正規雇用者であれば必ず押さえておきたい国民健康保険と国民年金のある制度がある。連載「知らないと損する!医療費の裏ワザと落とし穴」の第222回では、意外と見落としがちな「コロナで使える、国保と国民年金の支援制度」を詳しく見ていこう。(フリーライター 早川幸子)

コロナ禍で失職する非正規雇用労働者が続出!
困ったときに活用すべき国保・国民年金の支援制度とは?

 4月26日、新型コロナウイルスの国内死亡者数が、累計1万人を突破。5月7日には、1日の死亡者数が過去最高の148人を記録し、医療体制のひっ迫が続いている。さらに4月25日には、東京、大阪、兵庫、京都の4都府県を対象に3回目の緊急事態宣言が発令され、当初5月11日までとされていた期限も5月31日までに延長された。12日からは、福岡県と愛知県も緊急事態宣言地域に加えられた。また、5月12日現在、北海道、埼玉、千葉、神奈川、岐阜、三重、愛媛、沖縄の8道県が、まん延防止等重点措置の対象となっており、緊急事態宣言に準じた措置が取られている。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の発令は致し方ない。とはいえ、人の動きを止めれば、経済に跳ね返る。雇用環境の悪化で、特に厳しい状況に追い込まれているのが、非正規雇用の労働者だ。

 厚生労働省によると、コロナ禍による解雇や雇い止めは、この1年で累計10万2143人に及ぶが(4月23日時点集計)、うち4万7764人が非正規雇用労働者だ。非正規雇用の労働者は、正社員に比べると、社会保障の面でも不利になりがちだ。労働時間や収入の線引きによって、勤務先の健康保険に入りたくても、入れないこともあり、仕方なく国民健康保険に加入している人もいる。

 こうした人が職を失ったり、コロナに感染して仕事を休むと、正社員のような給付を受けられず、国民健康保険料を支払えなくなったり、療養中に収入がなくなって生活できなくなる恐れもある。そのため、国民健康保険に加入する非正規雇用の労働者を救済するための特例措置も打ち出されてきた。

 これまでなんとかコロナ禍を乗り切っていても、3度目の緊急事態宣言の発令でダメージを受けている人もいるだろう。そこで、コロナで使える国民健康保険の二つの特例措置、そして国民年金の諸制度について、改めて確認しておこう。

非正規雇用者必見、「コロナで使える国保と国民年金」の制度を解説
*新型コロナ関連の国民健康保険料の減免制度・傷病手当金
*国民年金の納付免除と猶予制度・障害年金