イスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの空爆や、エルサレムのイスラム教モスク(礼拝堂)への警官突入を受けて、中東全体に親パレスチナの抗議デモが拡大し、アラブ諸国の対イスラエル関係の限界が試されている。イスラエルは昨年、長年対立していたアラブ諸国と相次ぎ国交正常化に向けた「アブラハム合意」を締結。これにより中東における自国の地位を改善し、敵視するイランを封じ込める一方で、各国と新たな経済関係が構築できると期待していた。だがここにきて、数十年にわたるパレスチナ人との対立が再び先鋭化している。昨年、イスラエルと国交を正常化したアラブ首長国連邦(UAE)、バーレーン、スーダン、モロッコは今週、いずれもイスラエルの政策を批判。合意の推進派でさえ、アラブ諸国によるイスラエルの受け入れは、極めて厳しい情勢になっていることを認めている。