起床しやすいレム睡眠と、ノンレム睡眠のステージ1は非常によく似ている状態だ。しかし、似てはいても、やはり脳が起きている状態のレム睡眠時のほうが目覚めやすいという。

「睡眠の状態を見分けるためには、体の動きや振動、心拍数、心電図、筋電図、眼球運動、脳波などを計測します。とくに、レム睡眠とノンレム睡眠のステージ1のように似ている状態を正確に見分けるためには『脳波』が重要なチェックポイントです。現在、スマートフォンでも体の動きや振動から睡眠の状態を測定することができるといわれています。ただし、スマホの睡眠計測アプリは加速度センサーによる測定なので、脳波どころか心電図や筋電図などのデータも取れません」

 加速度センサーは、スマホをマットレスの上に置くことで、寝返りなどの睡眠中の体の動きを感知し、睡眠のリズムを把握する。スマホを体に直接装着するわけではないので、動きの感知レベルはそこまで高くないそうだ。

 さらに、マットレスによっては振動がさほど感知できない場合もあり、寝具の違いが計測に大きく影響してしまうという。こうした事情を踏まえれば、スマホアプリで睡眠の状態をチェックすることがどれほど難しいか理解できるだろう。

「Apple WatchやGoogle Fitbitといった、リストバンド型のウェアラブルデバイスで睡眠サイクルを記録する人も増えています。しかし、リストバンド型のデバイスも、体の動き、心拍数、心電図までしか計測できません。加速度センサーだけの計測と比べれば精度は高いと思いますが、脳波を測ることはできないので、そこまで信ぴょう性の高いデータとは言いづらいでしょう」

朝の光とヒーターの活用で
快適な目覚めをサポート

 脳波を計測するためには、医療機関で「睡眠ポリグラフ検査」を行う必要がある。だが、自宅でも、ヘッドバンド型のウェアラブルデバイスを使用することで計測が可能だという。

 とはいえ、ヘッドバンド型のデバイスは、高精度の計測ができる点が魅力的だが、価格が5万円弱と高額な上、外れないように装着すると締め付けが強く感じられ、寝ている最中にうっとうしく感じるなどデメリットも多い。