米ダラス在住のエルハナン・エイブラムスさん(38)には12歳を筆頭に4人の子どもがいる。4月に自身が新型コロナウイルスワクチンの接種対象者になるとすぐに接種を受けたが、子どもたちに接種を受けさせるかは、もっと多くのデータを見てから決めたいと考えている。子どもは全員、小児用ワクチンの定期接種は受けているが、エイブラムスさんは「コロナは子どもには一般的にごくわずかな影響しかない」と話す。連邦当局は今月、ファイザー製の新型コロナワクチンの12歳から15歳への接種を承認した。日常が取り戻せると喜んだり、12歳未満の子どもへの接種を心待ちにしたりする親がいる一方で、子どもへの接種をためらう親もいる。ためらう親の説得に努める小児科医によると、「子どもはコロナにかかっても多くは重症化しない」という、公衆衛生当局がこの1年、親に伝えてきたメッセージが課題の一つだという。ワクチンが開発されたばかりであることを理由に未確認の副反応を心配して様子を見ようとする親や、予防接種が生殖能力に影響するとか発達障害の原因になるという根拠のない、うそであることが証明されている言説を理由に、あらゆるワクチンに対して慎重な親もいる。