カプセルを開けてみるまで中身が分からない「カプセル玩具」。日本では1970年代から現在まで流行が続いているが、ここ数年、中国のZ世代と呼ばれる若者の間でも大人気となっている。中国で最初に開発した企業は「日本をヒントにした」としているが、なぜ今、彼らはカプセル玩具に熱中するのか。(ジャーナリスト 中島 恵)
生きた犬や猫まで!?
中国でカプセル玩具が大ブーム
5月上旬、中国のSNS上に悲痛な声が次々と書き込まれた。生きた犬や猫が箱に入れられて通販サイトで販売されていたことが分かったのだ。動物愛護団体がその動画をSNS上に投稿すると、中国の若者からは「かわいそう!」「ひどすぎる!」という批判が殺到したが、報道によると、これは動物版の「ブラインドボックス」である可能性が高いことが分かった。
ブラインドボックスとは、カプセル玩具のこと。日本ではなじみ深い、いわゆるガチャガチャ、ガチャポンなどのことだ。もともとアメリカで流行し、日本には1960年代に輸入され、70年代頃から流行し始めた。日本では、時代ごとに何度か大きなブームが巻き起こってきたが、中国でもここ数年大人気となっており、ついには動物版のブラインドボックスまで登場するという事態になったようだ。この出来事から、中国では昨今、「何でもかんでもカプセル玩具にして販売してしまう風潮がある」ということが分かる。