ビットコインが実物貨幣になったり、社会に貢献したりする可能性は限りなくゼロに近いと思われる。だが、それは人生の多くのものに当てはまることだ。ビットコインの価格は、先週末の暴落の後、週明け24日には3万7000ドル(約402万6000円)近くまで上昇したが、月初来下落率はまだ37%と打撃的だ。投資家は、暗号資産(仮想通貨)が政府の不換紙幣を脅かすほどの大きな価値を持つものなのか、それともただの無価値なデジタルトークンなのかを見極めるという、合理的だが困難な作業に取り組んでいる。ビットコインの価格は最近、ある一人の男の気まぐれで乱高下しているように見える。有名な暗号資産の支援者である米電気自動車(EV)大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)だ。マスク氏は今月に入って、EVの決済にビットコインを受け入れない方針を発表した。その理由は、取引の検証やトークンの「採掘」を行うコンピューターによる二酸化炭素(CO2)排出だとされている。ある試算によれば、ビットコインの膨大なCO2排出量は、ポルトガルの排出量と同等だという。
なるほどビットコインは無用だが、だから何?
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