1位は、三井住友トラスト・ホールディングス(HD)で1201.3万円。前期(18年4月~19年3月)に続き、首位の座を維持した(前期の結果の詳細は、ダイヤモンド・オンライン『全国銀行員の平均年収ランキング2019、全国87行を一挙公開!』を参照)。

 三井住友トラストは、銀行業界の中でも「信託銀行」という業態。お金を預かったり融資したりという通常の「銀行業務」に加えて、個人や企業の資産を管理・運用する「信託業務」を行っている。また、相続関連の業務や不動産売買の仲介業務なども行っており、一般的な銀行よりも富裕層の顧客を多く抱えているとされる。

 3メガバンクグループの傘下にも、三菱UFJ信託銀行やみずほ信託銀行などの信託銀行はあるが、三井住友トラスト・HDは大手としては唯一、信託専業の戦略を貫いている。

 2位は、メガバンクを抑えて地銀の第四北越フィナンシャルグループ(FG)がランクイン。平均年収は1165.1万円だ。第四北越FGは、傘下に新潟県トップの第四北越銀行を持つ。17年4月に県内トップの第四銀行と2位の北越銀行が経営統合に基本合意し、21年1月に合併を完了した。

 新潟県の地銀グループがメガバンクをしのぐ高年収となっているのには、ちょっとしたカラクリがある。単体従業員数を見ると、第四北越FGはたったの7人。つまり、同社のエリート中のエリートのみの年収で平均値を出しているため、グループ全体の実勢よりもかなり高めの水準が「平均年収」となっているとみられる。

 3位は三井住友フィナンシャルグループで、1157.6万円。前期は2位だったが、前述のようなカラクリこそあるものの、第四北越FGに逆転された格好だ。

 4位はめぶきフィナンシャルグループ(FG)で、1157.4万円。同社は茨城県の常陽銀行と、栃木県の足利銀行の持ち株会社である足利ホールディングスが16年に経営統合して発足した。

 第四北越FGと同じく単体従業員数が18人と少ないため、めぶきFGもグループ全体の実勢よりも高めの年収であると考えられる。

 5位は銀行業界最大手の三菱UFJフィナンシャル・グループで、1122.7万円。前期比5.2%増で、前期の7位からトップ5に昇格した。

 では、次ページ以降で6位以下を一気に公開する。