決算報(居酒屋業界)コロナ禍で厳しい状況が続く居酒屋業界の現状とは? Photo:Diamond

コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は、甘太郎を運営するコロワイドやワタミなど、「居酒屋」業界の6社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

逆風吹き荒れる居酒屋業界
前期比7割減収の企業も

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は、以下の「居酒屋」業界主要企業6社。対象期間は20年11月~21年3月の直近四半期(鳥貴族ホールディングスは20年11月~21年1月期、大庄、串カツ田中ホールディングスは20年12月~21年2月期、その他3社は21年1~3月期)としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・コロワイド
 増収率:マイナス22.6%(四半期の売上収益431億円)
・ワタミ
 増収率:マイナス32.1%(四半期の売上高143億円)
・チムニー(はなの舞など)
 増収率:マイナス73.7%(四半期の売上高22億円)
・大庄(庄やなど)
 増収率:マイナス40.3%(四半期の売上高92億円)
・鳥貴族ホールディングス
 増収率:マイナス48.3%(四半期の売上高46億円)
・串カツ田中ホールディングス
 増収率:マイナス62.0%(四半期の売上高11億円)

 21年に入っても新型コロナウイルス感染拡大は収束せず、1月には1都3県に緊急事態宣言が再発令。その後も4月に、東京都や大阪府など一部地域には3度目の緊急事態宣言が発令された。宣言に伴って酒類を提供する飲食店は休業を要請されるなど、居酒屋業界にとって非常に厳しい事態が続いている。

 足元の業績からもその苦境ぶりが見て取れるが、各社はどのような状況にあるのか。次ページでは詳細を解説する。