デジタル広告会社は、米アップルが新たに打ち出した措置によってユーザー情報へのアクセスが制限されるとして、その中身を詳しく調べている。業界関係者の間では、アップルが消費者のプライバシー保護の名のもとに締め付けをエスカレートさせたとの声もある。この新たな措置は、アップルが7日に開催した開発者会議「WWDC」で明らかにした。企業がユーザーのネット上での行動を追跡したり、データブローカーなどの第3者からユーザー情報を収集したりするのを制限するもので、新機能としてアップルが今秋発表する次期OS(基本ソフト)に導入される。同社はこの数カ月前、アプリ内追跡を制限し、デジタル広告業界に波紋を広げていた。先の制限はアップルの基本ソフト「iOS」内のアプリのみに影響したが、新機能による制限はアップル端末上でのあらゆるウェブトラフィックが対象となる。そのため、広告会社や電子メールマーケティング会社、パブリッシャー、アドテック(広告技術)会社は、悪影響が幅広く及ぶ事態を想定している。
アップルのデータ収集制限、広告会社の懸念高まる
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