中国の経済企画トップは、当面は温暖化対策についての目標の達成より経済成長が優先されるとして、二酸化炭素(CO2)排出削減に向けた環境当局の取り組みにブレーキをかけた。複数の関係者が明らかにした。国家発展改革委員会(NDRC、発改委)は全国規模のCO2排出量取引制度について、当初の規模を縮小した。この制度は8都市での試行を受けて、今月中に本格稼働する予定だ。習近平国家主席はCO2排出量が2030年までに頭打ちになるようにし、60年までに実質ゼロにするという目標を掲げている。だが、関係者によれば、達成へのロードマップ(行程表)策定を巡る交渉でもNDRCが主導権を握っている。ここ十年ほどで生態環境省は存在感を増しており、足元でも権限が強化され影響力を増していると思われていた。だがこうした展開を踏まえると、エネルギーとCO2排出に関わる目標を設定するNDRCの方が依然として大きな権力を握っているようだ。