これに関し、韓国の中央日報は、日本は「ゲスト国として韓豪印を呼ぶのはいいが、G7の枠組み拡大には反対だ」というG7関係者のコメントを紹介。また、昨年もG7拡大が論じられたことがあったが、茂木敏充外相は「わが国だけでなくG7がこうした枠組みを維持することが極めて重要と考える」「G7は基本的価値を共有する参加国首脳が、国際社会が直面した課題について自由闊達(かったつ)な議論をすることに意義がある。これがG7の共通認識だ」と語ったと報じた。

 G7に参加しているアジアの国は日本だけである。韓国が日本と価値観を共有できれば、本来日本とは多くの利益を共有できるはずであり、むしろ日本が韓国の参加に協力してもいいはずである。しかし、文在寅政権の韓国は、とても自由・民主主義というG7の価値観を共有している国には思えない。

 基本的価値観の共有という視点で見れば、豪はG7と共通の価値観を有しているであろう。また、南半球の参加国はないことから、G7参加の意義はあると考える。

 いずれにせよ、G7を拡大して韓国がD11の正式メンバーとなるのはだいぶ先のことと思われる。

G7への参加は
韓国発展の象徴

 中央日報によれば、文大統領は、会議期間中に「2つの歴史的事件が心の中で思い浮かんだ」という。1907年オランダ・ハーグで開かれた万国平和会議と、ポツダム会議である。

 文大統領は「日本の外交侵奪を知らせるためにシベリア横断鉄道に乗ってハーグに到着した李儁(イ・ジュン)烈士は、会議場にも入ることができなかった」「(ポツダム会議では)朝鮮半島の分断が決定させられた。我々は声も出せずに強大国間の決定でわが運命が左右された」と述べた。

 朝鮮半島は地政学的に非常に脆弱(ぜいじゃく)なところであり、列強による争奪が繰り返された。そうした歴史を回顧したとき、世界の未来を議論するG7に参加することは、これまでの韓国の発展を象徴するものであり、韓国にとって誇りとなるものである。と同時に、韓国にとっては安全保障上も重要な意味がある。