中国の配車サービス大手の滴滴出行(ディディチューシン)が上場を目指している。それに乗じるには、それなりの「運賃」が必要なようだ。滴滴出行は10日、米国での上場申請書を提出した。評価額は700億ドル(約7兆7000億円)を超える可能性があり、今年の新規株式公開(IPO)では世界最大級となりそうだ。これをきっかけに、年初こそ好調だったが最近では上場ペースが鈍っていた米IPO市場が、再びギアを上げるかもしれない。ハイテク株のバリュエーションは軒並みピークから下がっている。中国のハイテク株は、中国政府による規制強化が投資家を不安にさせたことから、特に大きな打撃をこうむっている。滴滴出行に出資する大物株主らは大きな利益を計上するだろう。IPO市場の活況によってすでに予期せぬ利益を得ているソフトバンクは、滴滴出行株の保有比率が21.5%に上る。米配車サービス大手のウーバーテクノロジーズは2016年に中国事業を滴滴出行に売却し、代わりに同社の株式を取得した。現在の保有比率は12.8%だ。