3度目の緊急事態宣言でも
政府の対応は“国鉄”と同じ

 ひさしぶりにこの原体験を思い出したのが、4月25日からはじまった緊急事態宣言のときの政治家の発言でした。

 5月11日までゴールデンウイークをまたぐ期間の自粛を求め、「勝負の17日間、なんとか我慢してほしい」とおっしゃったわけです。飲食店でお酒を飲むことを国民に我慢してほしい。17日間だから協力してくれと。

 そのときに思い出したのが、冒頭のエピソードでした。「国鉄の頃からやり方が変わっていない。17日で済むわけがないだろうに」。これまでの緊急事態宣言が延長されてきた経緯からそう感じたのですが、実際はわたしの想像を超えて、お酒の提供自粛はその後も長期化する事態になりました。

 わたしの本業は、未来予測専門の経営コンサルタントです。コロナがいつごろ収束するかというのは経営者にとって重要な情報です。わたしは今年の2月頃に、「コロナは5月末に収束に向かいます」と断言して、6月以降のアフターコロナのビジネスチャンスを逃さないようにアドバイスしていました。しかし、実際は「お酒の提供制限」「県をまたがる移動は自粛」「不要不急の外出を控えて」では6月段階では景気の回復などあったものではありません。

そもそも国民と政府で
コロナ収束の見解が異なる

 この話を聞いた読者の方は、「鈴木さんのコロナ予測が外れたんですよね!」と思うのではないでしょうか。そこで、ちょっとグラフを見ていただきたいと思います。