消費者物価が急激に上昇する中、各国の中央銀行は金利引き上げの誘惑に負けまいと苦労している。不動産ブームによって、これは一層困難になりかねない。金融政策は既に引き締められつつある。米銀大手バンク・オブ・アメリカのデータによると、2021年に入ってから、これまでに8件の利下げと19件の利上げが行われており、利上げは主にロシア、ブラジル、トルコなどの中銀によるものだ。新型コロナウイルス大流行期の金融刺激策が富裕国でも終了するとの見方は、投資家のセンチメントを圧迫している。米連邦準備制度理事会(FRB)は16日、2023年に利上げの可能性があるとの見通しを発表。それ以降、株価は打撃を受けている。翌17日には、ノルウェー中銀が9月の借り入れコスト引き上げはほぼ確実であることを示した。これは、FRBや3月に最初に市場を動揺させたニュージーランド準備銀行よりもはるかに早い時期を想定したものだ。先進国は新興国に比べて、商品価格や米ドルの値動きの影響を受けにくいため、低金利を維持する余地は大きい。だが、ノルウェー中銀は声明の中で、「住宅価格の著しい上昇を重視した」と説明している。
上昇する住宅価格、中銀の冷静さ試す
住宅ブーム過熱でノルウェー中銀は利上げを示唆、他国の中銀も同じ過ち犯すか
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