『発達障害サバイバルガイド──「あたりまえ」がやれない僕らがどうにか生きていくコツ47』10万部を突破! 今回は、著者の借金玉さんに様々な「リアルな困りごと」について質問をぶつけてみました。

発達障害でほぼ高校に行かなかった僕が「早稲田に合格」した勉強の大切なコツPhoto: Adobe Stock

早稲田に合格! ADHDでもできる暗記のやり方とは

――借金玉さんは「高校はほぼ不登校」でありながら、早稲田大学に合格しています。ADHDの人は「覚えるのが苦手」なんて言われますが、受験勉強は、どう突破したのでしょうか?

借金玉 そもそも「全部覚えよう」とするから「覚えられねぇ」となり、手が止まってしまうのがADHDです。そこで僕たちが大好きな「実戦」、つまり過去問を活用しましょう。雑でいいし覚えようとする必要もないので、まずは教科書の内容をノートにとる。そしてそのまま過去問に取り組む。そのサイクルを何度も繰り返しながら精度を高めていくというのが僕のやり方です。

「実戦=過去問をいっぱい解く」ことと「練習=教科書を何度もノートにとって覚える」こと。受験勉強は、この2つをひたすらやりました。

――借金玉式ノートのとり方のコツってありますか?

借金玉 「流れ」を意識することです。たとえば世界史や日本史の勉強なら、出来事や単語の間に「→(矢印)」を引く。これで大まかな流れがつかめるので、教科書や本を丸写しする必要もなくなります。

 もうひとつのポイントは、できるだけ「大きなノート」を使うことです。ノートの広さは思考の大きさ。真ん中から書き始めて、縦横関係なく矢印を書き広げていくと、流れがつかめます。ノートはスケッチブックでもいい。キレイに書く必要は1ミリもありません。「俺にしか読めないノート」くらいが理想的ですね。

――そもそも教科書のボリュームにひるんでしまう人もいるのでは?

借金玉 実は僕も、いきなり教科書をノートにとるのはできませんでした。そういう人は、本屋行って内容は薄めだけどサクっと一周できるタイプの参考書を一冊買ってみることをおススメします。参考書の方が「流れ」に着目して記憶に残りやすいように書いてあるので、ノートをとる際、矢印に変換しやすいはずです。