本書の要点

(1)視線や仕草、座る位置などは、知らず知らずのうちに相手に強く影響する。そうした行動に意識的になることで信頼関係が築ける。
(2)人の能力は心の状態に左右される。したがって、相手の可能性ややる気を引き出すためには、原因追及型ではなく解決型の質問を心がけ、相手の気分を良い状態に保ったほうがいい。
(3)自分の感情を押し殺さず、ありのままに認めよう。感情を抑えようとすると、モヤモヤしたり、相手から好かれにくくなったりする。

要約本文

【必読ポイント!】
◆見た目・仕草
◇視線の使い方で相手の心をつかむ

 視線は多くのメッセージを伝えるものだ。実際、脳の取り扱い説明書と言われるNLP(Neuro Linguistic Programing:神経言語プログラム)では、視線の動きに注目して、相手の心を探る。右は未来、上は想像するときの方向であるため、右上を見ながら話しているなら嘘だと、左は過去、下は本当の気持ちを感じるときの方向であるため、左下を見ているなら本当のことを話していると分析する。

 気配りは、視線を配ることだと言ってもいい。好かれる人はいつも気持ちと視線を相手に配っている一方で、嫌われる人は自分の評価を気にし、気持ちも視線も相手に配ることができない。相手に気を配るように意識すると、視線もまた自然と相手に向かうものだ。

 相手の視線をつかむことは、相手の心をつかむことだ。人の心をつかむ人はチャンスをつかむ。会議でも視線が合っている人には話が振られやすいし、好かれる人は多くの人に視線を投げかけることで信頼関係を築き、チャンスにつなげている。

 視線の配り方によっては、相手に嫌悪感を抱かせ、ハラスメントになることもある。相手を不快にさせないためにも、自分の視線には意識的にならなければならない。