・仮説検証力

 予測不可能で確証を得ることが難しい現在においては、特に重要な力。多少のリスクを負っても仮説をすばやく回し、検証していく。

・リスク管理力

 仮説検証を行うにあたっては、リスクを見積もり、対処する力も必要となる。法律への抵触や倫理上問題となるようなこと、セキュリティ上の脆弱(ぜいじゃく)性などを避け、利便性とのトレードオフを勘案しながら、関係各方面との調整や交渉を行う。

・チーム構成力

 繰り返すが、非常に高いスキルを持つ優秀なプロダクトマネジャーであっても、1人ではプロダクトをつくることはできない。プロダクトチームを率いるためのスキル、関係構築力、コミュニケーションスキルは重要。

プロダクトマネジャーに
必要な3つの領域とは

 プロダクトマネジャーになりたい人がこうしたスキルを伸ばすには、まずはプロダクトマネジャーの仕事に必要な3つの領域(ビジネス、テクノロジー、UX)のうち、自分が自信を持てる領域、実績がある領域を1つ確立するとよいでしょう。

 自分がどの領域に強く、今後どこを強めたいかを見定めた上で、他の領域のスキルを補っていくのです。そのときに役立つのが、先に挙げたW型モデルの考え方です。

 たとえば、デザイナー出身でUXについてはよく分かるが、裏側のシステムについてはあまり知識がないという場合は、そこをある程度掘り下げていく。あるいは事業収支についての知識が少ないのであれば、そこを理解する、といった具合に、自分がプロダクトマネジャーとして必要とされている能力は何かを考え、掘り下げるというやり方です。

 すでに社内にプロダクトマネジャーの役割を担う人がいるのであれば、その仕事を観察し、ロールモデルにするとよいと思います。またプロダクトマネジャーに近い職種として、プロジェクトに責任を負う「プロジェクトマネジャー」を置いている企業もたくさんあります。その中にはかなりプロダクトマネジャーに近い仕事をしている人も多いので、そうした人の仕事のやり方や考え方も参考になるはずです。