携帯電話料金「大幅値下げ」
死角はないのか…?
総務省が矢継ぎ早に「携帯料金値下げの経済効果」を礼賛する報告を公表しています。
5月に、総務省が発表した「電気通信サービスに係る内外価格差調査(令和2年度)」での世界6都市の比較で東京は20ギガ(ギガは10億)バイトの大容量プランが月額2973円となり、ロンドンの月額2166円に次いで世界で2番目に安い水準の都市になりました。
次いで、6月25日に発表された6月中旬の消費者物価指数・東京都区部の速報値でも携帯電話の通信料が前年同月比で27.9%下落して、携帯料金値下げの効果が大きかったことを示しました。
そして総務省は29日、主要な携帯電話会社が今春発表した新料金プランの契約数が5月末時点で1570万件となり、年間4300億円の国民負担の軽減につながったとする試算を公表しました。総務省の調査によれば「今後乗り換えたい」と回答した人も12.8%いるそうで、武田良太総務大臣は、乗り換えが進めば「国民負担軽減額は年間約1兆円になる」としています。
スマホ料金の値下げは消費者の立場では確かに良い話なのですが、日本経済全体で見て本当に手放しで良い話だといえるのでしょうか?ここは専門家の間でも意見が分かれるところなのですが、その観点で逆に、ビジネスパーソンの経済未来予測のトレーニング題材としては面白いかもしれません。
そこで今回は、「携帯電話料金大幅値下げに死角はあるのか、ないのか?」について四つの視点で検討してみたいと思います。みなさんも一緒に考えてみてください。