店員に敬語を使わず横柄な態度を取る客は昔から一定数存在するが、昨今の風潮ではこのような客への視線は以前よりも厳しくなっているようだ。おじさんの視点から、若い世代に嫌われやすい中年を分析する。(フリーライター 武藤弘樹)
店員に対して態度が悪いおじさん
結構な確率で嫌がられる
中年たるもの、スマートに生きて周りから憧れられるくらいの存在になってみたいものだが、エゴむき出しの生き方を定着させている人もいる。そしてそういう人はやはり、特に若い世代から哀れみや疎ましげな視線を送られるものである。
若い人たちの間では「店員に対して態度が悪い中年男性」が、一つのあしきおじさんの典型として認識されているようである。では他に、若い人の間で嫌がられている中年男性のステレオタイプにはどのようなものがあるのか。また、なぜ「店員に態度が悪い中年男性」が生まれるのか、これらのことを考えていきたい。
子育てママから敬遠される
「子どもに対して心が狭いおじさん」
20代後半で子育て中のある女性は、「子どもに対して心が狭いおじさんが嫌」と話していた。
「母親になってから、周りの子どもに対する視点が変わったと感じている。
よそのお母さんが、周囲を気遣って一生懸命子どもをなだめているのに、『静かにさせろ!』などの罵声を浴びせるおじさんが許せない。『この人は自分に子ども時代があった事実を忘れているし、もしこの人に子どもがいたとしても子育てに積極的に関わってきていないから苦労がわからないのだ』と憤慨してしまう。
幸い私が直接おじさんから何か言われたことはないけれども、ああいうおじさんはどこにでもいるから、いつか言われるであろう覚悟はしている」(20代女性)
たしかに、外出先で子ども、またはその保護者にイライラしている人をまれに目撃するが、年長男性であることが多い。
昔と今では子どもに対する考え方が大きく変わっている。おそらく少子化や子どもの人権の向上といった要因が関わっているのであろう。
その時代の変化に目を向けなければ、嫌われるだろう。育児の大変さに共感できなかったり、「子どもがうるさくしている責任はすべて保護者」という昔風の価値観を持った人が、他人の子どもの行儀の悪さに怒りを燃やすのかもしれない。
もちろん、我が子が周囲へ及ぼしている迷惑を鑑みない保護者や、「子どもは神様」的風潮をいいことに増長している保護者もなかなかの確率で見かけるので、両者にはともに精神的な成長を期待したいところである。