ウォール街の地下にマグマがたまりつつある。そして銀行は再びゾルタン・ポズサー氏(42)に連絡を取っている。投資家らが毎晩、数千億ドルの資金を米連邦準備制度理事会(FRB)に預け始めるようになった。それが何を意味するのかは誰もよく分からない。その答えを、クレディ・スイスのハンガリー出身アナリストであるポズサー氏に求める人は多い。リバースレポ・ファシリティーなどの難解な市場の動きを正確に予測することで知られる同氏は、「準備預金の不胎化の始まり」と宣言している。ポズサー氏が少なくとも隔週で発行する「グローバル・マネー・ディスパッチ」は、金融システム内部の仕組みに関心があるトレーダーや銀行関係者、政策担当者が真っ先に目を通すリポートで、包括的な見解と説得力のある分析が好評だ。最近では、かつては無名で利用度も低かったFRBの制度「リバースレポ・ファシリティー」に1兆ドル近くの資金が積み上がっていることが、注目テーマとなっている。