多くの投資家は、現在の株式市場が過大評価されていることを受け、次の弱気相場が始まった場合、長く深刻なものになることを懸念している。しかし、バリュエーションと弱気相場の長さや持続性との間には、歴史的な相関関係がほとんどないことを知れば、驚きと安堵(あんど)感を覚えるかもしれない。1900年以降で最も長い弱気相場の開始時は、最も短い弱気相場の開始時と比較して、さほど過大評価されていなかったことを考えてみればいい。筆者が言及しているのは、1939年9月と1998年7月に始まった弱気相場だ(ネッド・デービス・リサーチ調べ)。前者は3年近く続き、後者は2カ月足らずで終わった。この最も長い弱気相場の開始時は、CAPEレシオが16.45だった。CAPEレシオは、米イエール大学の金融学教授でノーベル経済学賞受賞者のロバート・シラー氏が提唱した指標で、過去10年間のインフレ調整後の平均利益に基づく株価収益率(PER)を指す。16.45という数字は、CAPEレシオの長期的な平均値を下回っており、株式市場が過小評価されていたことを示唆している。
次の弱気相場、どのくらい続くのか
株式市場のバリュエーションとその後の弱気相場の長さに相関性はない
有料会員限定
あなたにおすすめ