バラク・オバマ氏のシリアを巡る不運な出来事は、米大統領が本気で行動する意思がないのであれば、レッドライン(越えてはならない一線)を引くべきでないことを示した。ジョー・バイデン大統領は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領に対して強気な発言をし、期待することを恐れない。だが、バイデン氏は自ら設けたレッドラインを相手が越えたら、行動に移すだろうか。報道によると、共和党全国委員会(RNC)の請負業者を標的とした最近のサイバー攻撃に、ロシアの対外情報局(SVR)が関与しているとみられている。6年前の民主党全国委員会(DNC)への攻撃や、最近発生したソーラーウインズ製ソフトウエアを使用する米国の政府機関や企業を狙った攻撃にも関与しているとされる。RNCへの攻撃は先週起きたが、ちょうどその頃は、ロシアとつながりがある集団によるランサムウエア(身代金要求型ウイルス)を使った攻撃も発生していた。この攻撃で被害を受けた米企業は数百社に及ぶ。
【社説】バイデン氏の「一線」試すプーチン氏
米大統領は「越えてはならない一線」で有言実行しなければならない
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