【教育をアップデートせよ!】#4 お客さまの感情が勘定を上回る瞬間をつかむ

就職活動も保険の提案も
「勘定」より「感情」が大事

内定を取りまくる学生、取れない学生

 筆者はここ数年、大学生向けの就職活動支援を行っている。就職人気ランキングに出てくるような大手企業の内定を獲得させているが、決め手となるのは、学歴以外のエントリーシートや面接などのアウトプット力が大きいと考えている。

 相手に分かりやすく、魅力的に伝える文章の作成能力に加え、プレゼンテーションスキルが重要な要素だ。また、企業側の手の内を知っているため、◎を付けられやすい学生のタイプも逆算できる。

 例年、お正月が過ぎたころに自信がなさそうな学生がやって来る。台本を棒読みするレベルであっても、徹底したトレーニングにより5月の連休明けには見違えるように堂々としてくる。内定を取りまくる学生の共通点は感情表現に秀でていることである。声のトーンや話すスピード、間の取り方、身ぶり手ぶり、視線の向け方……、あらゆる表現力を鍛えることで他の学生と差異化することができる。まさに、研修業務のヒントが多く含まれているのだ。

 前回記事『保険募集は一部の3割バッターよりも全員が2割バッターの方が有効』では、生命保険の販売は感情(エモーション)と勘定(アカウント)の使い分けが大切であると述べた。就活面接と同様に、生命保険の募集においては以前にも増して「勘定」よりも「感情」が重要なウエートを占めている。今回はその点を踏まえた教育についてお伝えしたい。