濃厚接触者でも特例的に出場は可能だが
U-24日本代表と試合をするのか…?

 さらに、濃厚接触が確認される前からチームは自主待機に入っていて、来日後の初練習が予定されていた17日から一切の活動ができていない。現時点で他の選手は、PCR検査で陰性が確認されているものの、練習再開時期などについては未定とされており、身体面のコンディションが著しく低下する状況はまず避けられない。

 濃厚接触者と認定された場合、一般的には14日間の隔離が必要とされている。しかし、政府と大会組織委員会は16日に、競技開始6時間前に受けるPCR検査で陰性が確認されることを条件に、濃厚接触者の東京五輪出場を認める方針を突然発表した。

 東京パラリンピックを含めた特例措置は、感染防止対策などがまとめられた「プレイブック(規則集)」には明記されていない。ご都合主義にも映る決定に、丸川珠代五輪担当大臣が発表した直後から、感染対策が次々と形骸化しているとの批判が集中した。

 直後に、サッカーのU-24南アフリカ代表から複数の感染者が判明し、大量の濃厚接触者も確認された。そもそも、感染力が従来型よりも強いとされる変異株に対して、日本の国内ルールで定める濃厚接触者の特定が十分なのか、不安は尽きない。

 日本対南アフリカの一戦を例に挙げれば、キックオフの6時間前、つまり22日午後2時にPCR検査が実施される。

 国際サッカー連盟(FIFA)は、試合を実施するには最低でも13人の選手が必要としているが、例え選手の頭数をそろえられたとしても、練習をほとんどできない状態で試合当日を迎えれば、日本との間で公平性はまったく保たれない。

 加えて、濃厚接触者の特例での試合出場に関しては、対戦相手の了解などを得た上で、とされている。日本サッカー協会(JFA)が了解すれば、感染へのリスクが高まる状況でU-24代表の選手たちを試合に臨ませるのかと批判され、拒否すればフェアプレーの精神に欠けているのではないかと、どちらを選択しても批判の対象とされかねない。