不動産クラウドファンディングが人気を博しているが、業者の不祥事が頻発する危うい世界でもある。特集『不動産投資 売りどき・買いどき』(全11回)の#10では、参入がどんどん増えていく不動産クラウドファンディングにおいて、まっとうな業者を見極める「選択眼」を指南する。(ダイヤモンド編集部副編集長 臼井真粧美)
SBI系クラファン
不祥事で事業撤退
1万円出せば不動産投資ができる時代になった。不動産に小口投資できるクラウドファンディング(以下、クラファン)の商品が急速に増えているのだ。
クラファンはインターネットで個人投資家から資金調達するもの。預金に比べて高い利回りが手軽に得られるとし、案件の募集が開始されるとあっという間に枠が埋まる。パソコン画面をにらむ個人投資家たちによるクリック競争が繰り広げられている。
ただ、人気の裏で危うさも露呈している。
SBIグループの子会社であるSBIソーシャルレンディングは、融資案件の募集が虚偽の説明だったことなどで金融庁から6月に業務停止命令を受け、事業を撤退する。クラファンを巡っては以前より複数の事業者で不祥事が相次いでいる。
投資家はまっとうな業者、安心感を持てる商品を見極める「選択眼」が必要となる。