韓国が5年前に逆転
「昇給なし」は日本とイタリアだけ

 上図の通り、日本の平均賃金は韓国に比べて、3445ドル(約37万9000円)低い。月収ベースで見れば3万1600円ほど低いという計算になる。

 OECDの平均賃金は、「購買力平価」をベースとするもの。例えば同じ品質、同じ量の製品が米国で1ドル、日本で150円だった場合、実勢の為替レートではなく1ドル150円のレートで換算するという計算方法だ。購買力平価には国家間の物価水準の違いが加味されており、生活実感により近い。

 いったい、いつ韓国に賃金で逆転されたのか。前述の通り、日本の賃金は過去20年間で0.4%しか増えていない。これに対して韓国の賃金は43.5%伸びている。この結果、15年の時点で韓国に逆転され、その後も差は開く一方だ。

 下図は、日米欧主要7カ国と韓国の平均賃金の推移を過去20年間で見たものだ。韓国だけでなく、米国やカナダ、ドイツなども賃金は顕著な右肩上がりで伸びている。「昇給ゼロ」状態なのは日本とイタリア(マイナス0.4%)だけである。