ヨーロッパの巨像:戦死者の慰霊碑とアートがでかい

独ソ戦の戦死者を悼む巨像「祖国記念碑」独ソ戦の戦死者を悼む巨像「祖国記念碑」

 旧ソビエト連邦諸国には、ソ連時代に立てられた、第二次世界大戦における戦死者を悼む巨像や碑が多数あります。中でも最も高いのが、ウクライナの首都キエフにある、高さ102mの「祖国記念碑」です。

 この巨像は1981年、ドイツ軍との戦いで命を落としたソ連軍兵士慰霊のために、第二次世界大戦に関する博物館とあわせて立てられました。当時ウクライナはソビエト連邦の構成国だったため、像が左手で捧げている盾にはソビエト連邦のエンブレムが。これは現在でも残ったままになっています。キエフ・ジュリャーニュイ国際空港に発着する便の機窓からも、緑の多いキエフ市内にそびえる銀色の巨体がよく見え、際立った存在感を見せています。

鳥だ!飛行機だ!いや、アートだ!鳥だ!飛行機だ!いや、アートだ!

 イギリス中部に広がるのどかな田園地帯を貫く高速道路の脇、小高い丘の上に立てられた、鳥にも飛行機にも見えるモニュメント。「北の天使」と呼ばれる、高さ20m、幅50mの巨像です。

 アニメに登場するロボット兵士のような色合いと外観。翼のようなものを左右に広げた天使は、イギリス現代芸術界の大家アントニー・マーク・デヴィッド・ゴームリーの作品。1998年に立てられた当初は賛否両論巻き起こったこの不思議な巨像も、時を経て現在ではすっかり観光名所に。ドライブの途中で立ち寄り、記念撮影をする旅行者がひきもきらないそうです。芸術とはなにか、という深遠なテーマも考えさせられる巨像です。