皆さんは親や兄弟姉妹と遺産相続の話をしたことはあるだろうか。親族同士で遺産を巡り、骨肉の争い(争族)にエスカレートしたという話は後を絶たない。触れにくい話題ではあるが、親の存命中にきちんと話し合っておくに越したことはないだろう。去年に続いて今年のお盆もコロナ禍で実家への帰省を自粛せざるを得ない家庭は多いはず。ただ、先祖に思いを馳せるお盆だからこそ、やっておくと望ましい相続に関する六つの項目について総括する。(フリーライター Sayah、監修/税理士法人ほはば所属 佐々木愛也)
財産や法定相続人の数を把握し
財産目録をきちんと作成しておく
被相続人(主に親)の存命中に財産について話し合いをしておくことは必要不可欠だ。ここではお盆の今だからこそ押さえておきたい、相続関連で確認すべきポイントについて解説していく。
「争族回避」チェック項目(1)
不動産の所有や借金の有無、相続税の発生の有無の確認
相続問題で後々もめる原因の一つに、予期しなかった財産の発覚がある。被相続人の死後に予想していなかった財産が発覚することによって、相続対策を一からやり直す必要に迫られることも珍しくないのだ。
そのため、不動産の所有権などを記載した財産目録を作成しておきたい。一般的に財産目録の作成は司法書士に頼むケースが多いが、弁護士、税理士、行政書士などにも依頼可能だ。
どの専門家に依頼するかは、財産の内容によって変わってくる。不動産や土地が多い場合は登記が得意な司法書士、相続税の申告が必要な場合は税理士、遺族間で相続問題を抱えている場合は弁護士など、財産の中身や状況によって選ぶことをお勧めする。
また、「遺産」については借金などの「負の財産」についても把握しておくことが重要だ。被相続人の存命中は相続予定だった財産でも、負債の存在の発覚によってプランが180度変わってしまうという事態も起こり得る。