ミレニアル世代のうち最も高い年齢層の人々は現在、金銭面に関する新たな節目である「高所得期」に近づいている。2回のリセッション(景気後退)と、世界の様相を一変させた新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を経て、1980年代生まれのミレニアル世代は、間もなく高所得期を迎えようとしている。しかし、各種データから判断すると、彼らにとっての人生のこの一時期は、先輩世代が同じ年齢を迎えた際に経験したような家計の安定感をもたらさないかもしれない。セントルイス連銀の経済的公平性研究所のロウェル・R・リケッツ氏によれば、所得に対する債務の比率(DI比率)が高いことや、支出を強いる他の複数の要因がすでに彼らの家計を圧迫している中で、高所得の時期に入ったミレニアル世代の一部は、住宅購入や家族形成を遅らせている。