年収1500万円の壁を超えるヒントをつかむため、年収アップを目指す手段の一つである「転職」について考えてみよう。ジョブ型雇用への移行が取り沙汰される中、転職後の年収を決定する上では「職種」が重要な要素となる。今、年収アップを実現している人が多い職種とは? 「年収800万円以上」の人に焦点を当て、さらなる年収アップを目指すヒントを探る。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)
年収800万円以上で
転職で「年収アップ」した人が多かったのは?
人に仕事を付ける「メンバーシップ型」雇用から、仕事に人を付ける「ジョブ型」雇用に移行する企業が増えつつある。ジョブ型雇用では、ジョブディスクリプション(職務記述書)に基づいて仕事内容が決まり、給与はその仕事内容にひも付く。そのため、仕事内容に関わる「職種」は年収を決める上で重要な要素の一つだ。
年収をアップできる可能性は、職種によって大きく異なってくる。
今回は「年収800万円以上」という、一定の高年収を実現できている人に対象を絞り、その上で転職によってさらに年収アップを実現できた人はどの職種に多かったのかを見てみよう。
エン・ジャパンが運営する転職エージェントサービス「エン エージェント」と、30~40代のハイクラスを対象にした転職サイト「ミドルの転職」における転職決定者のデータを基に分析。年収800万円以上の人の中で転職によって年収が上がった人の割合を職種別に算出し、その割合が大きかった順にランキングした。
なお今回の対象期間は2020年1月~21年6月としているが、コロナ前のデータ(17年1月~19年12月)についても掲載。その変化についても併せて見ていこう。
また、そのランキング結果を転職のプロに解説してもらった。各職種が今なぜ転職市場で求められているのか、コロナ禍はそこにどんな影響を与えたのか――。そうした分析を基に、さまざまな職種の人が応用できる「年収アップできる=転職市場で求められる人材」になるための要諦をお届けする。