「意味的価値」が生まれるのは
結果ではなく「プロセス」

山口 メルセデス・ベンツのAMGにしても、BMWのALPINAにしても、性能に優位な差はない中で、そこの部分に500万円を払うというのは、「意味的な価値」があるからですよね。

 その、意味的な価値を担保しているのが何かというと、でき上がった製品そのもののパフォーマンスよりも、「こういう作り方をしました」というプロセスなんですよね。

「役に立つ」では生き残れない!これから必要なのは「意味」である理由尾原和啓氏氏の近著『プロセスエコノミー』が7月28日に発売された。発行:幻冬舎

 だから、僕は尾原さんの本を読んだ時に、「こういう作り方をしました」って、言葉で言うだけではなくて、映像としてちゃんと残しているAMGの例を連想しました。

尾原 そうですね。今はもう「役に立つ」というのは、周さんが言ったようにヘトヘト勝負になっていて、良いモノを出してもすぐに情報が共有化されて、高止まりで差別化できない。でも、意味の世界で差別化が作れてしまうと、軽々しく1000万円のものが1500万円になってしまうような付加価値の世界があって。

 どうやってその意味が作られるか?と言うと、意味が生まれる手前のプロセス、供給者側のモノが生まれるまでのプロセスに立ち上がりやすいところがありますね。