ビジネスの世界でも、リーダーに求められる役割は、チームメンバーの1人だった時代とは変わってくる。部下を持ったり、チームを率いたりするようになると、現場での時間が減っていくのが一般的である。

 だが、指揮官的な役割に回るのではなく、プレイヤーに執着し続けるのが内村流である。リーダーとして仲間のために汗をかくことはもちろんのこと、さらに自分のために汗をかくこともやめない。

「現場にこだわる」という内村流を実践する上で心しておくべきことが三つある。

 一つ目が「苦手に挑む」ことだ。仕事の経験を重ねるごとに自分の得意分野と不得意分野が分かってくる。この苦手からから目を背けない姿勢が求められる。内村氏が苦手に挑んだ行動は、大喜利が得意な後輩芸人「さまぁ~ず」と共にバラエティ番組『内村さまぁ~ず』にレギュラー出演したことである。内村氏にとって大喜利は得意分野ではないが、そこにあえて飛び込んだ。

 二つ目が「新たな分野に挑む」ことである。内村氏はお笑い業界以外にも小説3作を出版、映画3作を監督している。

 三つ目が「怪我を恐れない」ことである。現場に執着し続けるというスタイルは大きなリスクが伴う。内村氏の場合であれば、小説や映画で失敗して、評価が下がって出演機会が減ることもあり得る。しかし、リスクがあるからこそそれに見合う価値があると考える。それは現場に居続けるために奮闘するリーダーの背中を見せられることでもある。

【必読ポイント!】
◆チームマネジメント編・メンバーの潜在力を引き出す方法
◇メンバーを緊張させない空気をつくる

 チームをいかにまとめて成果を出すのか。これはリーダーに共通する課題である。内村氏は後輩芸人やスタッフの潜在力を引き出すことに長けている。内村氏のいる現場ではメンバー自身らが想像していた以上の成果を上げているのである。

 チームマネジメントにおいて、内村氏はどのように現場のパフォーマンスを引き出し、向上させているのだろうか。その一つの方法が、周囲を「緊張させない」ことである。