わが子にピッタリ!塾・予備校&家庭教師・オンライン教材選び#7Photo:PIXTA

コロナ禍によって、中学受験以上に影響を受けたといわれる小学校受験。首都圏の応募者数は前年より1割近く増え、過去5年で最多の約3.4万人(併願を含む)に達した。さらに今年、都立初の小中高一貫校、立川国際中等教育学校附属小学校の初選抜が行われる。特集『わが子にピッタリ!塾・予備校&家庭教師・オンライン教材選び』(全22回)の#7では、過熱する小学校受験の最前線と共に塾の選び方を紹介する。(ダイヤモンド編集部 宮原啓彰)

新型コロナの感染拡大で
新規参入組が急増か

 本特集の#6『中学受験塾の選び方、合格実績だけで選ぶと後悔も!子の性格と塾の指導法の相性で判定』で、過熱する首都圏の中学受験事情に触れたが、小学校受験は東京23区や神奈川県を中心にそれをしのぐ盛り上がりを見せている。

 教育図書21による首都圏60校への調査によれば、2021年度の応募者数は計3万3879人(併願含む)。前年度までも微増を続けていたが、一気に1割増となった。

 その背景にあるとみられているのが、やはり新型コロナの感染拡大。各学校の応募者数を見ると、コロナ以前とは明らかに違う動向が浮き彫りになる。

 前年度より応募者が増えた小学校を俯瞰すると、慶應義塾幼稚舎や早稲田実業学校初等部などの有名私立小学校、そして、国立小学校6校が際立っている。一方で、いわゆる地域の2番手校以下は、微増もしくは減った学校も少なくない。

 特に、近年は低迷気味だった国立小6校が大復活し、全校で受験者数が増えた。

 それまで小学校受験を考えていなかった家庭が、コロナ禍で急きょ新規に参入をしてきたが、入念な学校選びの時間がなく、誰でも名前を知っているような国立小や有名私立小に応募が集中したことがうかがえる。

 21年度入試のもう一つのトピックは併願校数の増加。昨年9月の小学校受験統一模試で、模試参加者が書いた志望校数は平均3.3校(国立小を除く)。前年同月は平均2.7校だ。近年では、平均3校超えさえほとんどない中、異例の多さとなったのだ。ここからも、コロナ禍を横目に、何とか公立小への入学を回避しようとする各家庭の姿勢が垣間見える。

 この首都圏における小学校受験人気は、22年度入試でも続くとみられている。

「模試受験者などを見ても前年度より増加していることから、応募者数が増えることはあっても減ることはないだろう」と言うのは、教育図書21の小学校受験統一模試の東京地区責任者、新中義一氏だ。

 コロナ禍や新設校を背景に過熱するばかりの小学校受験。それを勝ち抜くには小学校受験塾の活用が、今まで以上に不可欠となる。だが、中高大の各受験とは違って、小学校受験の各塾が出す入試偏差値などは存在せず、さらに各小学校の入学試験で問われる能力も国立・私立を問わずバラエティーに富む。それだけに小学校受験塾選びは最も難しいといえる。

 小学校受験塾への入塾時期のボリュームゾーンは年中の後半。つまり今だ。では、どのように塾を絞り込めばよいのだろうか?自分の子どもには、大手がいいのか、中小が向いているのか。具体的な塾名と共に、性格や進路に合わせた、ぴったりの塾選び法を見る。