中国は何十年にもわたって中央集権的な経済政策を追求し、米国はそれを満足しながら見守ってきた。しかし、中国が約15年前に始めた些細(ささい)だが重大な再調整はここにきて、中国の目標と戦術に対する米国の警戒を招いている。米国が過去に取ってきたアプローチを取り入れることで、中国が多くのケースで追いつきつつあるとみられるため、なおさらだ。中国がこれまで進めてきた中央集権的な計画では、旧ソ連方式の農場や工場の生産目標が強調されていた。中国政府は今なお5カ年計画を採用しているが、現在は産業に活用できる基礎科学研究に資源を振り向けている。これまで米国が支配してきた人工知能やロボット工学などの分野に中国が進出していることから、バイデン政権は半導体生産の競争力回復のために政府資金を投入するなど、産業育成政策を重視する姿勢を強めている。