この冬こそコロナ・インフル「恐怖の同時流行」を警戒すべき5つの理由Photo:PIXTA

つい2年前まで、冬の感染症といえばインフルエンザだった。しかし今、人々は季節を忘れて新型コロナウイルスと闘い続けている。そして今年の冬は、新型コロナとインフルの「同時流行」になるかもしれない、というのが世界の専門家の見立てだ。なぜそう考えられるのか、両方から身を守るための最善策は何だろうか。(ナビタスクリニック理事長、医師 久住英二)

インフル復活への序章か
RSウイルス感染症が大流行

 覚えている人もいると思うが、新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行は昨シーズンも懸念されたことだった。しかし結果は大方の予想を裏切り、インフル患者は記録的な激減を見せた。

 国立感染症研究所の推計によれば、2020年9月~2021年3月のインフル受診者数の推計は、全国で約1万4000人だった。例年なら1シーズンに約1000万人とされている。700分の1以下だ。1999年に現行方式で記録を取り始めて以来、初めて「流行なし」となった。

 大きかったのは、新型コロナに対する人々の予防意識の高まりと実践だろう。皆が皆マスクを装着し、冬でも換気を心がけ、手洗いやソーシャルディスタンスを徹底した。飛沫感染と接触感染が主な伝播経路のインフルにも、効果てきめんだ。

 このままいけば、今年もインフルは流行せずに済むのではないか……そんな期待もかかる。

 だがこの夏、気がかりなニュースが飛び込んできた。インフル同様、昨年は例外的に流行のなかったRSウイルス感染症が、早々に大流行したというのだ。