最初のうちは不眠、頭痛、肩こり、めまいなどの体調不良に悩まされ、やたらに気が重く落ち込むようになり、そのうちに不定愁訴がひどくなって、やがて会社にも行けなくなる……それで病院で診てもらったらうつ病と診断された、といった流れをたどるケースが目立ちます。
このように「抑圧・うつ傾向の強いタイプ」の人は、ストレスや不平不満、怒りなどを抱え込んで、心と体をボロボロに疲弊させていってしまうことが多いのです。
しかも、周りの人に相談をしたり助けを求めたりするのがヘタで、自分ひとりで問題を背負い込んでしまう傾向があります。周りが気づかないまま、自分の状況を悪化させていってしまうこともめずらしくありません。
このタイプは、昔から日本人に多いと言われています。まじめで責任感が強い人、感情をあまり表に出さない人、仕事を抱え込みがちな人、他人からの頼まれ事を断るのがヘタな人は、十分に注意をしたほうがいいでしょう。
怒りや不満をため込まないために
まず、このタイプの人には、もっと怒って自分を主張していくことをおすすめします。
仕事を押しつけられそうになったらちゃんと断ったほうがいいし、誰かにからかわれたり、嫌なことを言われたりしたら、ちゃんと言い返したほうがいい。
もちろん、相手があまりに無理な要求をしてくるようなときは、争うことを恐れずにちゃんと怒ったほうがいいでしょう。そうでないと、相手の都合のいいようにこき使われてしまいかねません。怒りをため込むことで、いずれは心身の不調をきたす一因となるのです。
このタイプはお人好しが多く、会社や上司などの要求を従順に聞いてしまいがちなので、ヘタをしたらボロボロにすり切れるまでこき使われてしまう危険性があります。良識ある企業ならまだしも、人使いの荒いブラック企業のようなところで働いていたら、心身が不調に陥るのも時間の問題ではないでしょうか。
同じようなことが、家庭や友人関係でも起こりえます。
そのような事態に陥らないためにも、自己防衛手段として、「断る」「怒る」「自己主張する」などのコミュニケーションスキルを意識して身につけておくべきなのです。
もし必要であれば、アサーション(よりよい人間関係を結ぶための自己主張)を学ぶのもいいと思います。アサーション・トレーニングに関しては、ネットや書籍で多くの情報が得られますし、気軽に受講できる講座なども増えています。積極的に利用してみてはいかがでしょうか。
また、もうひとつこのタイプの人に欠かせないのが、ストレスをため込まないための工夫です。仕事にしても怒りや不平不満にしても、次から次へとため込んでしまうから、やがて手に負えないほどにふくらんでパンクしてしまうわけです。
だから、こうしたストレスはため込むことなく、小まめに解消していくべきなのです。
そして、「自分はこれを行えばもやもやした気分が晴れる」というストレス解消法を、ひとつかふたつは持つようにしておきましょう。