視力の矯正手術として認知度の高いレーシックだが、40歳以降からの手術を躊躇する人は少なくない。レーシックの手術をすると老眼になりやすいという噂や、将来的に緑内障の経過観察や白内障の手術に影響が生じるという懸念が二の足を踏ませるのだ。そこで代わりに注目を集めている手術が、眼内コンタクトレンズを挿入する「ICL」だ。さらに、他にもミドルエイジレーシックや多焦点眼内レンズといった新たな解決策も登場しているという。40歳以降におすすめの視力矯正手術をご紹介したい。(監修/看護師 繁 和泉)
あらためてレーシックを知る
2000年代初頭に一大ブームとなったレーシックだが、その認知度の割に詳しく知らないという人も多いのではないだろうか。レーシックについてあらためて概要を押さえておきたい。
レーシックとは
どのような手術なのか
目はよくカメラになぞらえて、角膜と水晶体がレンズで網膜がフィルムであるとされる。近視・遠視・乱視は、角膜と水晶体で正しく光が屈折されないために網膜にピントが合わず、ピンボケになっている状態なのだ。
レーシックは屈折矯正手術の一種で、角膜をエキシマレーザーで削って角膜の形状・カーブを変えることで屈折力を調整する。術前検査などはあるが、レーザーの照射時間はわずか数十秒のため、手術自体は両眼でも10分から20分程度で終わり、術後の視力回復も早い。手術当日から視力が回復する人もいるほどだ。