債券市場では最近、暗号資産(仮想通貨)に対する「信任投票」が2度行われた。結果は惨たんたるものだった。中米のエルサルバドルが9月にビットコインを世界で初めて法定通貨に採用すると、同国の国債は急激に売り込まれた。その数日後、仮想通貨取引所を運営する米コインベースは20億ドル(約2230億円)規模の社債を発行したが、一部はこれまでに約4.5%下落している。年金から美術品に至るまで幅広い分野でブロックチェーン技術が使われるようになったことで、「分散型金融」がもたらす変革への期待感が高まっている。だが仮想通貨の先駆者が発行する債券は、まだ投資家から冷ややかな目で見られている。投資家は、比較的安全で安定したリターンを求めて債券を購入する。一気に値上がりすることはあっても下がる時も急降下しがちな仮想通貨とは正反対だ。
仮想通貨ブーム、債券市場の投資家は冷ややか
有料会員限定
あなたにおすすめ