選挙の度にコンテンツ化、
「なぜ若者は政治に興味が持てないのか」
2021年10月14日、衆議院が解散する。これで一気に政治とマスコミは「選挙モード」へ突入していくわけだが、そうなると必ず取り沙汰される風物詩的な話題がある。
それは、「なぜ若者は政治に興味が持てないのか」という話題だ。
総務省のデータでは、前回(2017年)の衆院選の20代の投票率は33.85%で60代(72.04%)の半分以下。「若者というのはだいたい政治に無関心なものだ」という意見もあろうが、内閣府の調査(平成30年度)でも、韓国、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデンの中で、政治に「関心がない」と回答をした若者の割合は最も多い47.0%だった。
そんなシビアなデータを受けて、マスコミでは選挙になるたびに「政治に無関心な若者」を定番コンテンツ化している。
10月13日放送「大下容子ワイド!スクランブル」(テレビ朝日)で、松岡修造さんが道行く若者たちに「なぜ政治に興味が持てないのか」とインタビューし、「興味が持てるようにSNSなどをもっと活用してほしい」「学校で政治についての教育をしてほしい」など若者側の意見を伝えていた。
……というようなニュースが流れ始めると逆に、50〜70代という「政治に関心のある世代」からよく聞こえてくるのが、こんな意見である。
「なんだかんだ言って、今の若者は日本という国にある程度満足をしているんだよ」
「安保闘争や学生運動を国家権力が鎮圧したことで、それ以降の世代は政治に関心を持たせないようにしたのだ」
ただ、筆者はこのような意見にあまりピンときていない。どちらも前提となっているのが、「昔の若者は政治に関心があった」というストーリーなのだが、歴史を振り返ればそうとも言い難い部分がある。