中国の電力不足は、今はまだ空を暗くしているだけかもしれない。だが国内では既に、よりグリーンな電力へ移行する刺激となっている。中国のこのところの深刻な電力不足は工場の操業停止や停電を引き起こし、世界のサプライチェーン(供給網)に影響が広がっている。中国の主な発電用燃料である石炭の価格高騰が主因だが、とりわけ柔軟性に欠ける電力料金体系もそれに拍車を掛けている。多くの発電所が赤字操業に陥った。二酸化炭素(CO2)排出量の目標達成を目指す地方政府による厳しい電力消費制限も追い打ちとなっている。目先の問題を解決するために、政府は石炭供給を増やそうとしている。中国の多くの炭鉱が昨年、安全性への取り組みを背景に閉鎖された。国家計画当局は先週、石炭火力発電の価格上限を引き上げると発表した。電力市場には上限が適用されないため、電力を大量に使用している企業は、さらに大幅な価格上昇に直面する可能性がある。