財務省の開成OBは財務省内で要職に
経産省へのリベンジは果たせるか?

 例えば、開成時代から秀才の誉れ高い一松旬氏は、厚労省担当の主計官を続投。入省後も10年に一人の逸材と呼ばれ、コロナ禍で膨張した医療予算に歯止めをかけることを狙う。

 菅政権で首相秘書官を務めた大沢元一主計局調査課長も、開成時代からの一松氏のライバルであり同志。ちなみに大沢課長の妻は、財務省の後輩で東大医学部出身という超才媛。ちなみに一松主計官の兄も医師だ。

 そして、そもそも開成高校の初代校長は、元首相大臣で大蔵大臣も務めた高橋是清である。

 来る31日、自公の過半数割れが現実のものとなれば、政局は一気に流動化する。その時、日本維新の会と共にキャスチングボードを握るとみられている国民民主党は、代表の玉木雄一郎、岸本周平、古川元久各前衆議院議員ら旧大蔵省出身者がそろう。

 財務省にしてみれば、安倍晋三政権の間、経済産業省に殴られ続け、足蹴にされ続けた怨念を振り払い、官邸を掌握する最高の機会となる。

 もちろん選挙結果次第では、新政権が民意を得るために、バラマキ政策に走る事態も危惧される。安倍政権時代、我が世の春を享受した経産省もまた、元事務次官の嶋田隆氏(開成)を政務秘書官にねじ込んだが、嶋田氏は沈黙を続ける。

 総選挙後を見据えて、財務vs経産の水面下での攻防は続く。霞が関の“政権交代”は起きるのか。