手間はかけずに、おいしいもの、好きなものを食べる

 また、コロナ禍で家にいる時間が多くなったのも大きな要因だったそう。

「移動時間が減って余裕が生まれたことで、じっくり食事を味わうことができるようになり、『少量でも実は満腹になるのだ』と発見した記憶があります。自炊の時間ができたので、出来合いの総菜を買ってくるのではなく旬の物を意識して購入するようになったり、キャベツ一玉を買って1週間どれだけアレンジできて最後まで食べ尽くすかなどゲーム感覚で楽しんだりしていましたね」

 そんな池田さんに、ダイエット中、そして現在も続けているという普段の食事を教えてもらいました。朝はコーヒー豆を挽くところから始めて、おいしいコーヒーとバゲット(3分の1本程度)にエシレバターをたっぷり塗るという、至ってシンプルながらご自身の「好き」が詰まった朝食。一方の昼食は現実的な「眠気対策」と手軽さを重視。在宅勤務だと寝たくなれば寝られる環境なだけに、食べると眠気を如実に感じる炭水化物は抜きます。その代わり、洗うだけで食べられるベビーリーフを大容量で買っておき、それに好きなドレッシングをかけていただき、前夜の残りのスープ(意識的に多めに作って残しておく)やフルーツジュースを選んでお腹を満たします。

 夜、時間がないときは、レトルトカレーの登場頻度も多いそうですが、基本はごはん(半合なのでしっかり)、具だくさんの汁物、豆腐、納豆。コンビニで売っている1人前の少量食材もよく利用し、好きな豚バラ肉を買ってきて、旬の野菜と炒めてパスタにしたりごはんにかけたり、汁物にプラスするといいます。家で食べるものは、手軽でシンプル。その代わり、ひとつひとつを丁寧に味わうことでその先にあるものに想像が至るようになり、口に入れる物が少なくなったことで豊かになったように感じると話します。

 ここでおさえておきたいポイントは、食材の購入場所は、太ったときと変わらない「コンビニ」であること。かつ、時間と手をすごくかけているわけではなく、ただ、“買うものが変わっただけ”という点です。