【稼ぐ力】
全米の子どもたちが億万長者に憧れる理由

 まず「稼ぐ力」ですが、アメリカは教育費が高いこともあり、子どもの頃から「どう教育費を捻出するか」について、親と子が一緒になって考えるのが一般的です。

「毎月のおこづかいの一部を貯めよう」といってもそれだけでは無理なので、「アルバイトをしてどのくらい貯金しようか」と親子が早い時期から話し合います。

 日本では、幼少期から稼ぐことを考える子は少ないと思いますが、アメリカでは、小さい頃から自然と「稼ぐこと」について考える土壌があるのです。

 また、アメリカ人は、億万長者に憧れる子も多い。

 アメリカにはヒーロー崇拝文化があり、『スパイダーマン』『アイアンマン』といったマーベル作品のヒーローと同様、テスラのイーロン・マスクやフェイスブックのマーク・ザッカーバーグなどは、子どもたちの憧れです。

 そこに、大金持ちを夢見るなんて恥ずかしいという空気感は一切ありません。

 後ほど触れますが、アメリカは何事も“リスクをとる”価値観が一般的なので、ビジネスも稼いだときのアップサイド(上限)が違います。

 それこそ成功者は「何兆ドル」レベルですから、子どもたちが億万長者に憧れるのも自然なことなのです。

【貯金力】
“貯める”の中に
“共有する”という考え方

 もう一つ、アメリカ人と日本人の違いで大きいのは、“共有する”という考え方です。

 日本で「貯金力」といえば、お金を無駄遣いせず貯める力、と受け止められますが、アメリカでは、“貯める”の中に“共有する”という考え方が根づいています。

 たとえば、「このチャリティに共感したから寄付しよう」「毎月おこづかいの10%をあのプロジェクトに寄付しよう」など、幼少期から寄付文化が身近にあります。

 寄付とは、いわば“社会で貯める”という考え方。

 社会に貯蓄されたお金は巡り巡って自分たちに返ってくる――。

 これは、寄付文化が欧米ほど浸透していない日本とは決定的に違う感覚だと思います。