クイズ形式でNG部分を指摘
堅苦しさは否めずとも有益か

  さて、このアプリではこうしたエピソードを“マンガ”か“クイズ”で学ぶことができる。マンガは普通にマンガを読むだけである。一方、“クイズ”は、ちょうどLINEのトーク画面のように登場人物が会話して、全部読み終えてから上司の発言でよくなかったものを探してタップする、という趣向となっている。だから一般的な「ゲーム」と言えるほど主体的に操作できるものではないが、繰り返しになるが、労働基準法を学ぶ間口としてはこれで十分であろう。

 クイズに正解すると「解説」ページに飛ぶ。何が“NG”だったのかをきちんと説明するページである。急に文字と漢字が増えて、それまでとのギャップからちょっと抵抗を覚えさせる仕上がりだが、知識欲旺盛な少年少女ならしかと読破・吸収するに違いない。書かれている内容自体はよくまとまっていてわかりやすい。

 また、この解説が、大人にとっても勉強になる。これまでなんとなくフワッと残業していた人も、この解説を読めば「その残業が正当な条件下のもと行われているか」といった判断がつくようになって、有益だ。

 さて、RJパトロール隊に「RJアウトー!」と宣言され、無事NG発言が指摘されると、最後は「NG波バスター」というものが撒かれる。何やら「なんでもアルファベット2文字でなんとかしよう」という制作側の気配が見て取れるが、それはさておき、NG波バスターが撒かれると労働条件が改善されるそうで、上司たちは部下への思いやりに溢れた、労働条件を率先して守る素晴らしい人間へと改心する。太陽系外惑星の科学力は凄まじいと思い知らされるばかりである。

 また、このアプリには「相談窓口」というタブがあり、労働関係の悩みを相談できる各種窓口にリンクしている。