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コロナ禍でうつ病になる人が増加しているが、なかでも目立つのが「非定型うつ病」だという。気分が激しく変化しやすい非定型うつ病患者は、周囲からは「わがままな人」と思われてしまうことも多い。なぜ今、非定型うつ病が注目されているのか。パークサイド日比谷クリニック院長で精神科医の立川秀樹氏に聞いた。(清談社 田中 慧)

コロナ禍で注目される
非定型うつ病の特徴

 2020年にOECD(経済協力開発機構)が行った、メンタルヘルス(心の健康)に関する国際調査によると、日本国内のうつ病・うつ状態にある人の割合は17.3%で、前年に比べて2.2倍に増えたという。

 一口にうつ病といってもその種類は多様だ。特に最近注目されているのが非定型うつ病の増加だ。

「一般に知られる定型うつ病は、全てのことにやる気が起こらず悲観的になります。一方、非定型うつ病の場合、趣味などの自分の好きなことに対しては気分が上がり、行動的になれますが、好ましくない状況ではひどく落ち込むと同時に、うまく立ち回れない自分への自己嫌悪に苦しみます。このように、日常の出来事で気分が激しく浮き沈みする『気分反応性』が最大の特徴といえます」(立川氏、以下同)

 特に、非定型うつ病の場合、実際の状況よりも過度に悪い想像をしてしまう傾向もあるという。