経営 X 人事
若手社員を辞めさせず成長させる 「適度なかまい方」マニュアル
【第7回】 2009年1月20日
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間杉俊彦 [ダイヤモンド社 人材開発編集部副部長]

部下の言葉に“生返事”してませんか?
「傾聴」できない上司が失う「部下の信頼」

――[適度なかまい方 5か条] その(1)「傾聴する」

 「傾聴する」というのは、若手の報告や質問などに対して、きちんと相対して内容を聴くということです。当たり前のことです。

 ですが、目の前の仕事に追われているときに、顔はパソコンに向けたまま生返事することってありませんか? 家で奥さんにこれをやると、かなりの確率で怒声が飛んできますね? 先方の機嫌次第ではモノが飛んでくることもありますね?

 では、怒声を飛ばせない若手の場合は、どうなるか。フラストレーションを溜め込むことになります。度重なれば、あなたに対する信頼が揺らぐことになります。

 「聴く」というのは、意識を集中して相手の言葉を理解しようとすることです。一方、「聞く」というのは、集中する必要がなく聞き流してもよい状態のことで、両者はまったく異なります。

 若手社員からなにか聞かれたら、必ず「聴く」姿勢を心がけましょう。あたかも、営業先で顧客の話をうかがうのと同じことです。

 次回は、[適度なかまい方 5か条] その(2)「必ずフィードバックする」以下について解説します。


【番外編 ~新人ナカムラとの対話】

 「1月5日の出社日まで、自分が会社員であることを忘れてました」。

 年明けに聞いた新人ナカムラの第一声です。年末は台湾をさすらい、正月休みは地元の友人たちと遊んでいたそうです。正月休みまで会社や仕事のことでアタマがいっぱい、というよりはるかに健全ではありますが、やっぱりちょっとユニークな若者です。

 「今年の目標とか、ある?」と聞いてみました。

 「今年はインタビューをして、ひとりでちゃんと記事としてまとめたいと思います」。

 いまナカムラは私と一緒に、内定者フォロー・ツール「フレッシャーズ・コース」の新年度版の取材に取り掛かっています。各界著名人へのアポ取りなど、まったく臆することなく堂々とやっています。最近は、ライター、カメラマンと3人チームでの取材を任せてしまうこともしばしばです。

 この連載の第1回で「禁じ手」と断じた放置プレーのようですが、私が信頼するライター、カメラマンを通して取材ノウハウを学んでもらう、という間接的手法です。このライターさんは、年齢が私とナカムラのちょうど真ん中というベテランの域に入りつつある有能な女性。

 「学ぶことが多いだろ?」と聞くと、「すごく勉強になります」と神妙です。

 「Kさんって(ライターの名前)地に足がついていて、周囲の期待に確実に応える結果を出している。そういうところがプロだなって思います」

 「ああいう人ならロールモデルになる?」と私。育成責任を外部スタッフに転嫁しようとしています。

 「そうですね。私も、プロフェッショナルな30代になりたいと思います」

 成長の射程は30代ということで、やみくもに焦っていないことが、大器であることを感じさせます。ひとつひとつステップを上がっていって、中長期目標を達成してほしいものです。

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間杉俊彦 [ダイヤモンド社 人材開発編集部副部長]

1961年、東京都生まれ。1986年 、早稲田大学第一文学部文芸専修卒業、ダイヤモンド社入社。週刊ダイヤモンド編集部に配属され、以後、記者として流通、家電、化学・医薬品、運輸サービスなどの各業界を担当。2000年 週刊ダイヤモンド副編集長。2006年 人材開発編集部副部長。著書に『だから若手が辞めていく』(ダイヤモンド社刊)

 


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若手社員はなぜすぐに辞めてしまうのか――。放置プレー上司が多い中、早期離職を防ぐためには、若手を「“適度に”かまう」ことが大切。部下を辞めさせることなく成長させる人材マネジメントのノウハウを伝授する。

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