中小企業は月250万で看護師わずか4000円の補助、なぜ日本は「法人」に甘いのか写真はイメージです Photo:PIXTA

ちぐはぐなバラマキに全方向からブーイング

「経済対策なのか、子育て支援なのか、コロナで苦しむ人たちへの救援措置なのか、何をやりたいのかまったくわからない!」
「額が少なすぎる!ケチケチせずもっと派手に財政出動しろ!」

 岸田政権の「18歳以下に10万円給付」に対して、全方向からブーイングが飛んでいる。

 不満の声は身内であるはずの自民党からも出ている。公明党への配慮が強く感じられる政策に対して、高市早苗政調会長は「自民党の公約とは全く内容が違います」とバッサリ。

 そんなプチ炎上状態に油を注いだ形となったのが、来年2月から9月まで看護師の賃金を月4000円引き上げる方針を政府が決めたというニュースだ。

 例えば、単身者で子どもがいない看護師は、コロナ禍の最前線で心身を削りながら働いても1年で4万8000円しか収入が上がらない。

 一方、夫婦で大企業に勤めるような共働き家庭は、世帯年収1900万円以下なら子ども2人で20万の“給付ボーナス”が懐に入る。「医療従事者の皆さんに感謝」とか言いながら、これはさすがに不条理すぎるのではないか、という怒りの声が相次いでいるのだ。

 ただ、これが不条理ならば、個人的にはもっと不条理だと感じることがある。今回の10万給付とともに実施される、中小企業が最大250万円もらえる給付金だ。