「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」として、特別定額給付金10万円の給付が決まったのはちょうど1年前の今頃、つまり2020年の4月だった。そして、またSNS界隈から再給付を求める声がチラホラ聞こえてくる。もしかしたら、またあるかもしれない「その日」に備えて前回の使い方を振り返っておきたい。(フリーライター 武藤弘樹)
動きが出てきた給付金界隈
連日ツイッターデモも
1人当たり10万円の特別定額給付金の支給決定は、何かと気分が暗くなりがちなコロナ禍にあって少し晴れ間が差したようであった。
生活に余裕のある世帯にとっての10万円は、お小遣いのごときものだったかもしれないが、筆者世帯では生活にたいしたゆとりがあるわけではないので、3人分30万円を受給したことで、われを失って強気になった。結果、調子に乗った買い物をしてしまい反省している。
しかし、こうして書けるわが家などはまだ幸運だ。コロナ禍で深刻な収入減に見舞われた世帯は、給付金を税の支払いや生活費に充てざるを得なかった。こうした現実を一部受ける形で“ひとり親世帯臨時特別給付金”が追加で支給され、現在は政府が、困窮する子育て世帯に向けてさらに新たな給付金を支給するよう調整を進めているという。
一方、一律給付金の再支給を求める動きもあって、署名運動やツイッター上でのデモが連日続けられているようだ。給付金の再支給は困窮した世帯に限定されていたが、支出を切り詰めて余裕をなくしている中間層の苦しみも真に迫るものがあるから、お国はなんとかしてください…ということらしい。
今回は、前回の一律給付金の使い方と「次回給付金があるならどう使うか」について、数人の展望を紹介していきたい。