マイナンバーカードを作るか?
政府は「同調圧力戦術」で普及推進

 筆者はマイナンバーカードを昨年作った。自分のマイナンバーは既に与えられており、この情報を持ち歩けるカードを作ることには特に問題はないし、「今のところあってもいいことは特にないが、そろそろカードがないと不便なことが生じるだろう」と思って申請することにした。

 申請はスマートフォンを使って行うと比較的簡単だった。カードに使いたい写真をあらかじめスマートフォンに読み込んでおくと手続きがスムーズだった。申請からカードができるまでに1カ月以上時間が掛かったし、区役所での受け取りには1時間程度を要した(単にカードを受け取るだけなのだが)。ただ、申請が受け付けられたことは確認できたし、カードの受け取りに特段の不愉快はなかった。

 実は、5000円分のマイナポイントは申し込み手続きが必要なので、そのまま放置していた。だが、今回申請の期限が2021年12月末まで延長されたことを知って申し込もうというやる気が出た。マイナポイントのアプリをダウンロードしなければならないし、マイナポイントのリンク先をクレジットカードにしたので、カード会社側のID・パスワードその他の入力がなかなか面倒だった。別のキャッシュレス決済手段とリンクさせた方が良かったのかもしれないが、手間賃5000円ならまあいいだろうと思えた。

 マイナンバーカードは現在の仕組み上、これを作ることを国民に強制するわけにはいかない。従って、インセンティブを付与して徐々に普及率を高め、カードを持っていない国民に手続きの不便と少数派意識を与えることによって普及を進めようという意図なのだろうか。一種の同調圧力戦術だ。

健康保険証とマイナンバーカード
リンクに不都合はなさそうだ

 マイナンバーカードと健康保険証とのリンクに不都合はないか。自分の健康保険利用に関わるデータは既に健康保険組合にあるのだから、データがマイナンバーとひも付くことに不都合は無さそうに思えた。

 今度は、別途マイナポータルのアプリをダウンロードするところから始まって、前回よりもさらに面倒だった。前回の5000円に対して、今回7500円が手間賃なのは妥当な気がした。